上肢の動作を入力として、音韻やアクセントを即時的に制御するMotion-To-Speech型音声合成システムを用いて/wa,ya/などのわたり音節を出力する際に、入力となる身体動作の違いが操作精度に及ぼす影響を調べた。被験者に目標となる音声を呈示し、動作でそれを再現させる実験を行い、腕全体を用いて音声パラメータを制御した場合と、手首から先だけを用いた場合について比較した。その結果、特に高速性が要求される状況では、手首から先だけの動作の方がオーバーシュートの量が小さくなることが明らかになった。これは動作に関与する部位の質量が重要な要素であることを示唆するものである。
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