本研究では,河川環境管理手法の新たな方法論にチャレンジし,住民からの参加型センシングによる情報提供を促進するためのインセンティブ設計,膨大な河川管理情報を用いた潜在的投棄発生箇所の予測手法の開発,監視員の最適な自動監視活動計画の策定手法の開発を行う.それらを基盤とした実証実験を実施し,効果の検証を通して多様な社会実装のための実現手法の確立を目的とする.参加型センシングにより住民から収集したデータの効果的利用を通した業務活動の効率的計画手法と情報提供に関する制度設計に関する学術的貢献だけではなく,実社会において解決が急務とされる問題に取り組むことによる社会的貢献が可能である. 本年度は,地元住民が課題解決のための参加型センシングに参加するための課題点について検討を行った.具体的には、河川環境管理手法以外のアプローチとして,野生獣害被害対策にも応用可能であるとし,検討を行った. ①住民からの情報提供促進のために,参加型センシングにおけるインセンティブ設計を行う.②膨大な関連情報をビッグデータ解析によりクマ行動分析を行い,それを基にクマ出没予測手法の開発を行う.③セキュリティーゲーム理論手法を拡張することで,監視員の最適な監視活動計画の策定手法の開発を行う.これらを基に社会実証実験を実施し,効果検証を通しクマ監視管理の実現手法を確立する.これらの研究準備として、岩手県一関市役所農地林務課と共にクマ目撃情報を整備しオープンデータとして公開した.
|