研究課題
基盤研究(C)
本研究では、一次元非線形カオス写像に基づいて様々な自己相関特性をもつカオス乱数を理論的に設計し、それらをモンテカルロ積分、機械学習、ステガノグラフィ、可視光CDMA通信、ストカスティックコンピューティングなど、ランダム性を利用する技術(ランダム技術)へ応用し、その性能を評価した。その結果、各応用において、適切な自己相関特性をもつカオス乱数を用いた場合に性能向上が可能であることを明らかにした。
非線形理論、情報通信
乱数(ランダム性)は、様々な技術で利用されているが、どのような性質の乱数が有効であるかの議論はあまりなされてこなかった。本研究では、まず一次元非線形写像のカオス理論に基づいて様々な自己相関特性をもつ乱数の生成が可能であることを示した。そして、このカオス理論に基づいた乱数の自己相関特性の「可制御性」を利用して、様々な特性の乱数をいくつかのランダム技術へ応用し、適切な自己相関の選択によって性能向上が可能であることが示された。今後、さらなる性能向上や他の技術への応用などが期待できる。