社会的に高齢者の嚥下障害が問題となっている。嚥下障害は脳疾患に起因することが多いが,そのような疾患がなくとも「年齢とともに食べ物が飲み込み難くなった」「噎せるようになった」は身近でよく耳にする言葉である。加齢による喉咽頭部周辺の筋機能の低下は喉頭部の下降とそれに伴う舌骨の拳上動作の変化に繋がり、正常な嚥下動作を妨げる。実用されているX線透過装置や内視鏡による動画像を用いた嚥下機能の検査・評価方法は、いずれも臨床的には非常に有用であるものの、被爆の問題や患者への負担が大きいなどの課題もある。本研究の成果によって、より簡便で精度の高い新たな嚥下機能の評価方法が提示できれば、その社会的意義は大きい。
|