3年間の係留・船舶・衛星観測により、琵琶湖北湖における植物プランクトン群集動態(現存量、種組成、一次生産速度)は気象によって大きく影響されることが明らかとなった。特に、近年の温暖化に起因する成層の強化・長期化は、深層から表層への栄養塩供給を減少させ、植物プランクトン秋季ブルームの小規模化を引き起こした。また、成層の強化・長期化に降水量低下が加わると、湖内・湖外からの栄養塩供給が絶たれるため、植物プランクトンサイズの小型化と秋季ブルームの消失につながることも本研究により示された。時空間的に高解像観測が可能な光学的測定法は、今後も琵琶湖における植物プランクトン群集の新たな動態像を示すと期待される。
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