本研究では、放射線計測では1ヵ月程度の分析時間を必要とするラジウム-226(226Ra)分析に着目し、四重極型誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-QMS)を用いた天然水及び尿中の226Ra迅速分析法の開発を目的とした。まず、ICP-QMSによる226Ra測定条件を決定し、放射線計測よりも低い検出下限値で迅速に測定可能であることを明らかにした。また、ICP-QMSによる226Ra測定の妨害元素(タングステン、鉛)の影響を定量的に評価した。天然水及び尿試料からPbを除く化学分離法を検討した。以上のことから、天然水及び尿中の226Ra迅速分析法の開発に係る重要な知見を得ることができた。
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