本研究では高成長率、非成熟性、有用物質高生産量等の水圏環境浄化に適した海藻の性質は海藻種内でも異なり、海藻生育水域の影響を受ける場合があることを明らかにした。このことは同一海藻種でも生育水域により生物機能に相違があることを明らかにした点で価値がある。この結果は、所望の生物機能を有する海藻株の獲得には天然水域生育海藻の幾つかの性質(例えば成長率や成熟性)の調査が有効であることも示唆している。またIAAが海藻の一部の酵素量に影響を及ぼしていることが示唆された。このことはIAA等の微生物由来物質により海藻の生産量や栄養塩吸収特性を変動できる可能性を示唆している点で意義がある。
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