本研究は,「良いグラフィックデザイン」と「悪いグラフィックデザイン」が脳機能に与える影響の差について検討した.そのため,デザインモックアップを作成し,脳機能計測を行った.その結果,「悪いデザイン」の多くで酸素化ヘモグロビン濃度変化量の上昇,「良いデザイン」の一部で下降が見られた.「悪いデザイン」では,その内容を理解しようとして脳活動が上昇したと考えられる.また,そのデザインに対する違和感も上昇に寄与した可能性がある.以上の結果から,本研究において,デザインにおける機能性での不備や審美的側面の低評価については脳活動量を上昇させ,審美的側面への高評価は下降させる可能性が示唆された.
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