初年度はCOPD患者(40例)の呼気ガス分析を施行し、低分子量では質量数50、60付近の有機化合物の信号強度と閉塞性換気障害や気腫との間に有意な関連を認めた。高分子量では健常者とCOPD患者との間でアルカン系の有機化合物の信号強度に違いを認めた。しかし、COVID-19流行により2020年1月以降呼気ガス分析が困難となった。呼気ガスとの関連評価のため、CTを用いて喘息要素をもつCOPD群はCOPD単独群とは異なる構造的変化をきたすことを示し、動態MRIを用いて胸郭運動と疾患重症の関連を解析した。さらに、高齢COPDでは自覚症状や栄養指標と増悪との関連が強く、包括的な診療の必要性を示した。
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