LVLAVRは加齢とともに減少し、潜在性の拡張機能の低下を反映している可能性が示唆された。このことは無症候性の高血圧症例や糖尿病症例でLVLAVRを算出し、より早期の心機能の異常を検出できる可能があり、社会的意義は大きいと考えられる。またLVLAVR、特に拡張末期のLVLAVR、及び拡張末期、収縮末期のLVLAVRの差(Delta LVLAVR)は心疾患患者の予後予測に有用であり、既存の心機能指標より優れていた。予後予測の検討には3次元全自動化ソフトウェアーを用いており、このことから3次元心エコーデータがあれば誰でも簡便に予後予測が可能であり、この点から学術的有用性は極めて高いと考えられる。
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