間欠性外斜視(IXT)の小児群と斜視のない小児群の素早い視線移動の速度(衝動性眼球運動=サッケード)を比較したところ、両群で水平方向サッケードの速度に有意な差が見られなかった。この小児での結果は、IXTの成人は斜視のない成人と比較して水平方向のサッケード速度が大きいという特徴とは異なっていた。サッケードは実行中の視覚フィードバックがない眼球運動だが、IXTのサッケードの特徴は先天的なものではなく、成長と共に徐々に形成されると考えられる。また、IXTの小児は斜視のない小児と比較して、眼球を内側に向けるサッケードが弱く、IXTの発症と輻湊(両眼を内に寄せる眼球運動)の発達との関連が考えられる。
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