加齢による嚥下機能低下の定量的評価のため、筋電図計測を行った。舌骨下筋群の筋活動時間は、高齢者群で有意に長かった。 性別の影響については、喉頭挙上が始まるまでの舌骨上筋群の筋活動時間が女性よりも男性で有意に長く、喉頭挙上速度は男性の方が有意に速かった。年齢は筋肉活動時間に影響するパラメータであったが、性別はより複雑な影響を及ぼした。したがって、加齢に伴う嚥下機能を検討する際には、性別を考慮することが重要であることが示唆された。また喉頭挙上開始直前の筋活動の急峻な増加までの時間を評価することで嚥下の開始から喉頭蓋の反転までの時間差を定量的に評価できる可能性が示された。
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