本研究の成果は,視覚神経系の学んだ視覚特徴量の利用によって,比較的小規模なニューラルネットワークでも高い識別精度が得られること,並びにこの特徴量抽出回路が,限られた回路規模で実現できることを示した.この結果は,エッジデバイスでの人工知能の運用を加速させるものである.近年目覚ましい成果を上げてきた深層学習をベースとした人工知能は,処理負荷が大きい大規模なニューラルネットワークの利用を前提としているため,処理能力が乏しいエッジデバイスでの運用は制限されてきた.本研究で得られた特徴抽出回路と検証結果は,この状況を改善するものである.
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