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2023 年度 実績報告書

20世紀フランス前衛美術における価値評価システムの形成と美術制度の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19K13003
研究機関東京大学

研究代表者

松井 裕美  東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (40774500)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードモダニズム / フランス近現代美術 / 批判的受容
研究実績の概要

今年度前半は、キュビスムのフランス内外における発展と、キュビスムの芸術家たちによる美術教育という二側面が、近現代美術史に与えた影響について考察し、著書『もっと知りたいキュビスム』にまとめた。
またモダニズム的な美術史を見直し新たな美術史を編む批判的パフォーマンスを実施したロバート・モリスの作品《サイト》についての研究を遂行べく、8/31-9/17にパリ出張を実施し、パリ国立図書館やカンディンスキー図書館で調査を行った。カンディンスキー図書館では、モリスの修士論文のコピー、パリ国立図書館では批評家ロザリンド・クラウスとモリスが出演する動画といった、貴重な資料の閲覧をすることができた。
その結果は、論考「ロバート・モリス《サイト》(一九六四年)をめぐる解釈のせめぎあいとマイノリティの身体」『文学部附置人文科学研究所論叢』(青山学院大学、2024年3月)としてまとめ、フランス美術史の批判的受容がミニマリズムとフェミニズムの芸術実践においてどのように位置づけられるのかを考察した。
また近現代の美術史的方法論を身体的記憶の映像という観点から問い直す論考「Diagram of the War Landscape in Harun Farocki's Images of the World and the Inscription of War (1988)」が、論集『Paysage(s) de l'e;trange II』(Susanne Muller, Aurelie Michel 編、Le Bord de l'Eau、2023年)に掲載された。同じ観点から美術史家ディディ=ユベルマンの思想を捉え直した論考「ジョルジュ・ディディ=ユベルマンにおける「感性的なものの分有」ー「蜂起」展(2016年)をめぐる議論を軸とした一考察」は、近日中に雑誌『美術フォーラム21』に掲載される予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ロバート・モリス《サイト》(一九六四年)をめぐる解釈のせめぎあいとマイノリティの身体2024

    • 著者名/発表者名
      松井裕美
    • 雑誌名

      文学部附置人文科学研究所論叢

      巻: 5 ページ: 77-97

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diagram of the War Landscape in Harun Farocki's Images of the World and the Inscription of War (1988)2023

    • 著者名/発表者名
      Hiromi MATSUI
    • 雑誌名

      Paysage(s) de l'etrange II

      巻: 0 ページ: 25-36

  • [図書] もっと知りたいキュビスム2023

    • 著者名/発表者名
      松井裕美
    • 総ページ数
      80
    • 出版者
      東京美術
    • ISBN
      9784808712877

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公開日: 2024-12-25  

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