狩野秀水家資料はまとまった量の粉本群である事から重要な資料と言える。狩野秀水家資料の一覧を公表する事で、他の研究者が狩野秀水資料を調査する際の便を図った事は大きな意義があったと考えられる。狩野了承に関する研究においては、それまで重用されていなかった深川水場狩野家に用紙入りして表絵師となったという点で特異な狩野派絵師と言える了承について、狩野派の組織面から考察することが出来た。 狩野派内の下位の絵師の研究を通して、狩野派の組織を考える事で、日本絵画史研究全体に資したい。また、諸国各藩の藩絵師研究が活性化させる事で、地域の絵師研究に貢献を果たし、地域活性化につながっていくことを期待したい。
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