研究課題/領域番号 |
19K13013
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 花園大学 (2022-2023) 龍谷大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
西谷 功 花園大学, 文学部, 准教授 (80773928)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 宋仏教 / 墓塔 / 忌日儀礼 / 葬送 / 追善儀礼 / 泉涌寺 / 肖像画 |
研究成果の概要 |
本研究は、東アジア仏教的視座から中世日本葬礼史とその文化の再検討を行うものである。 これまで葬礼研究は鎌倉時代の禅宗(その源流たる宋代禅文化)による影響と論じられてきた。そのようななかで本研究は、宋代戒律・天台を導入した泉涌寺という「場」を事例として、さらにその泉涌寺僧たちが実践した宋式の往生作法や葬送儀礼をはじめ、仏教文物・生活習慣・文化などが他宗や諸寺院に受容されていく諸様態を実証的に論じることで、禅宗のみならず律宗・教宗にも共有された「宋代の江南地域仏教」の影響であることを論証した。
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自由記述の分野 |
仏教文化史、仏教儀礼史、仏教美術史、仏教史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、禅宗以外の僧や寺院・仏教文物の調査研究をすることでその共通項を見いだし、日本中近世から現代へとつながる葬祭儀礼文化の源流が「宋代の江南地域仏教」であることを多面的に論証したことにある。通説的な禅宗史観で構築された方法論や資料論を批判的に継承し、それらから解放された宋仏教文化の伝播や展開の諸様態をあきらかにすることで、これまで活用されていない文物の発見および再検討を促した。 さらに、かかる研究成果や方法論は、資料不足のため不明点が多い中国宋代およびその影響下にある東アジア諸国における仏教とその文化の実態解明にも援用可能な研究視座と考えられる。
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