研究課題
若手研究
20世紀前半のイタリアの作家や芸術家がアメリカ合衆国の社会・文化・人々についてどのように語り、アメリカをどのように表象したのかを調査・分析した。その上で、それらの言説・表象と時代背景との関係性や、モダニティに対する反応との関係性を明らかにした。さらに、20世紀前半のイタリアで幼少期・思春期を過ごし20世紀半ばから活躍しはじめた作家とアメリカ文化との関わりについても調査・分析した。その上で、幼少期・青年期におけるアメリカ文化の受容がその後の活動に与えている影響を明らかにした。
近現代イタリア文化
20世紀前半のイタリアにおけるアメリカをめぐる言説・表象に関しては、1930年代から1940年代前半にかけての左翼知識人のアメリカ文学への傾倒がよく知られており、それについては多くの先行研究が存在するが、文学以外の領域やその前後の時代については十分に注目されてこなかった。領域や時代の枠を超え、より広い視座からアメリカをめぐる言説と表象の複雑な様相と変遷に光を当てたことに本研究の学術的な意義がある。