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2023 年度 実績報告書

中世ヴァルド派の教理に関する文献学的研究――写本の解読と翻訳――

研究課題

研究課題/領域番号 19K13152
研究機関立命館大学

研究代表者

有田 豊  立命館大学, 政策科学部, 准教授 (30771943)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードヴァルド派 / キリスト教 / 教理書 / 中世写本 / ロマンス語文献学
研究実績の概要

2023年度の研究計画としては、引き続き中世ヴァルド派思想を体系化することを目標としていた。
実績としては、この目標達成に向けて、解読が完了した8本の詩(『崇高なる読誦』、『舟』、『4つの種の福音』、『祈祷』、『現世の蔑視』、『永遠なる父』、『新たなる救慰』、『新たなる説教』)から中世ヴァルド派思想を読み取り、8本の詩の間に見られる有機的な関連性の有無について考察した成果を、論文の形にまとめて立命館大学・国際言語文化研究所の紀要に投稿した。また、『崇高なる読誦』における聖書理解について考察した成果を、日本フランス語フランス文学会で発表し、論文の形にまとめて当該学会の紀要に投稿した。

5年にわたる期間全体を通じて、中世ヴァルド派思想の体系化を目指してきた本研究の成果としては、最終的に論文3本、学会発表3本、翻訳2本となった。
まず、本研究期間内にヨーロッパの各地に点在する中世ヴァルド派写本を実地調査できたほか、必要な写本を画像データ化して入手することに成功した。そして、分析対象としていた8本の詩全てを解読の上、日本語に翻訳し、そのうち2本を公開するに至った。残る6本も、これから順次公開していく予定である。
教理に関する分析としては、8本の詩の間の共通テーマとして「悔悛の奨励」が含まれていることが判明し、中世ヴァルド派内部では詩を通して一般信者全員が等しく生前の悔悛を実施できる体制が整えられていた可能性が浮かび上がってきた。あいにく今回の研究期間内では、8本の詩全ての内容を詳細に分析するには至らなかったため、この可能性を裏付けるには、各作品の丁寧な分析が必要である。ただ、『崇高なる読誦』については多少なりとも掘り下げた分析を行うことができたので、今後他の詩に関しても同様の水準で分析できれば、今回の研究成果をより緻密なものへと昇華できるだろう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 中世期のヴァルド派における聖書理解――教理詩『崇高なる読誦』を例に2024

    • 著者名/発表者名
      有田豊
    • 雑誌名

      フランス語フランス文学

      巻: 125 ページ: ー

    • 査読あり
  • [学会発表] 中世期のヴァルド派における聖書理解――教理詩『崇高なる読誦』を例に2023

    • 著者名/発表者名
      有田豊
    • 学会等名
      日本フランス語フランス文学会
  • [備考] ヴァルド派研究会

    • URL

      https://valdesegiappone.org/

  • [備考] 「異端」とされた宗派の言葉を読み解き、知られざる思想に迫る

    • URL

      https://www.ritsumei.ac.jp/research/radiant/article/?id=98

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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