ハワイ語研究においては、「語り手」「語り手の『語り』に対するメタ的な認識」といった点に着目することになり、これらは今後方向詞以外の文法要素の分析にも適用可能性がある。 また、各資料での方向詞やその視点の位置の変遷について、実際のテキストでどのような数的分布・変遷を示しているのか、具体的データを明示した。ある要素がどのような頻度で、どのような場合に現れるか、という点は、これまでハワイ語に精通した者以外には見えにくい部分であった。これらを数値化・可視化することで、ハワイ語を専門としない言語研究者や、ハワイ語について先例に学びたいと考える中級以上のハワイ語学習者に、全体像を掴みやすいデータを提供した。
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