研究課題/領域番号 |
19K13168
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研究機関 | 文京学院大学 |
研究代表者 |
新井 保裕 文京学院大学, 外国語学部, 准教授 (10718422)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 量的研究 / 質的研究 / 朝鮮族 / 言語教育 / 言語選択 / モビリティ |
研究実績の概要 |
本研究課題は、中国延吉市、大連市、上海市在住の中国朝鮮族(以下、朝鮮族)のコミュニケーション行動を調査するものである。経年変化も分析対象とするため、既存の拙研究に倣いアンケート調査による量的研究を行う予定であったが、2019年末より世界的に流行している新型コロナウィルス感染症拡大の影響により現地調査が難しい状況となっている。そのため、2020年度は量的研究だけでなく質的研究、及び両者を組み合わせた複合研究について整理し、調査方法の検討を行った。合わせて、言語学、社会言語学だけでなく文化人類学、社会学から朝鮮族を扱った研究についても整理し、「withコロナ時代」の朝鮮族研究について考察した。また朝鮮族だけでなくほかの移民、移動を扱った研究も参照し、朝鮮族研究がどのように位置づけられるかについても考えることで、朝鮮族研究の意義についても確認した。 上記研究の成果は2本の論文にまとめ、共に3月末に提出し査読審査中である。1つは既発表の拙研究をモビリティから捉え直し、質的研究の観点を加えて、論考「中国朝鮮族の移動と言語選択ー量的研究を出発点にモビリティを探る」として投稿した。また2019年に実施した上海市圏にある華東朝鮮族週末学校と大連市朝鮮族学校の事例を、先行研究で扱われる他地域の朝鮮族学校と共に質的研究でまとめ、「中国朝鮮族学校言語教育の多様性に関する社会言語学的研究―大連市朝鮮族学校及び華東朝鮮族週末学校の事例を中心に」という論考もすでに投稿済みである。 このように、新型コロナウィルス感染症拡大という社会情勢に対応する形で研究計画を変更実施しているが、現地調査が可能になった際にすぐ行えるように現地協力者への依頼も継続して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画では、2019年度の予備調査に続いて、2020年度は中国で本調査を開始する予定となっていた。しかし、2019年末より世界的に流行している新型コロナウィルス感染症のため、移動に制限がかかり、現地での調査を行うことが難しくなっている。 今後オンラインでの調査も視野に入れているが、調査対象者に調査趣旨を十分に説明する機会を得るのは、オンライン上では難しい部分があり、現地研究協力者と調整を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度以降は、オンラインのインタビュー調査を実施できるように、現地研究協力者と調整中である。またインタビュー調査の内容検討及びオンラインのインタビュー環境構築を進めていく。 朝鮮族研究の方法について検討する過程で、言語学、社会言語学的研究と文化人類学的研究の連携が必要であることを強く認識し、その連携についても進めていく。異なる分野の研究者が朝鮮族研究成果について対話を行うことは、朝鮮族を様々な観点から分析し、朝鮮族コミュニケーション行動の多様性を知るという本研究課題の目的にも適う。 2021年度以降に海外渡航制限が緩和された場合は、即時に調査実施を検討できるように現地研究協力者と引き続き準備を進める。 なおこの新型コロナウィルス感染症の拡大が朝鮮族のコミュニケーション行動や言語教育に与えた影響も少なくなく、そうした部分も分析対象としていくことで、本課題研究目的の朝鮮族コミュニケーション行動について考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年末より世界的に流行している新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、海外渡航に制限がかかり現地調査を行うのが難しくなっているため。今後、海外渡航制限が緩和されれば早急に現地調査実施を検討するほか、オンライン調査環境の構築も合わせて行う。
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