研究課題/領域番号 |
19K13168
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研究機関 | 学校法人文京学院 文京学院大学 |
研究代表者 |
新井 保裕 学校法人文京学院 文京学院大学, 外国語学部, 准教授 (10718422)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 中国朝鮮族 / モビリティ / インタビュー / 言語意識 / 中国 / 言語使用 |
研究実績の概要 |
本研究は中国朝鮮族のコミュニケーションの多様性を明らかにするものである。当初はアンケートによって地域差、性差、世代差を明らかにし、「社会化」の観点から分析するものであったが、研究動向、社会情勢を踏まえてオンラインのインタビュー調査に変え、「社会化」と大きく相関する「モビリティ(移動性)」の観点から分析考察を行っている。 2023年度は既収集データの分析考察及び新規データ収集を実施した。2021年9月に大連市、2022年3月に上海市で実施した調査は分析考察を経て、前者は2023年9月に論文公刊、後者は2024年2月に学会発表(2024年度内に論文公刊予定)を行った。また両調査の総合的な紹介を2023年6月、2024年1月にそれぞれ研究会、講演会で行った。両地域の分析考察結果を比較することで、中国朝鮮族のモビリティとことばには、グローバルな要因とローカルな要因が関わり、モビリティ、ことば、そして両者の関係が異なって現れることが明らかになった。中国朝鮮族だけでなく移動する人びとの研究に資するものと考えられる。また並行して2023年11月に延吉市在住朝鮮族に同様のオンラインインタビュー調査を実施し、データ分析を行っている。これまでの調査と合わせた総合的な分析結果を2024年8月開催の講演会、同年9月開催のシンポジウムで発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は2019年度から2022年度の期間で実施予定であったが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、中国への現地渡航、ネットワークを活かした中大規模アンケート調査の実施が難しくなった。そのため調査方法を再考し、オンラインインタビュー調査実施の環境を整える必要があったため、時間を要し、3年目から5年目にかけてデータを収集するに至った。しかしまだ総合的な分析が終わっていないため、本研究は期間延長申請を行い、6年目に入っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は研究データの分析考察を行っていく。中国3地域の朝鮮族のコミュニケーションの背後にあるモビリティとことばの多様性を明らかにするだけでなく、モデル化を試み、中国朝鮮族だけでなく移動する人びとのコミュニケーション研究に資することも意図したい。そして研究結果を社会言語学系学会や国際学会で広く公開したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症拡大の影響により海外渡航が制限され、現地調査とは異なる方法で調査研究を実施しているほか、当初計画していた国際シンポジウムを実施できないでいるため、次年度使用額が0より大きくなっている。次年度は社会情勢を踏まえて海外実地調査やシンポジウムを行うかどうかを決定するほか、シンポジウムとは異なる形で研究成果公開を行うことを検討し、そこに予算を充てる予定である。
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