本研究では、(i)状態変化動詞と心理動詞といった使役起動交替を示す動詞、(ii)非特定的目的語交替を示す動詞、(iii)使役・経験の意味を持つ動詞have、(iv)非対格と非能格の両用法を持つ移動様態動詞を研究対象とし、主題役割に対するconstructivist approachの下、これらの動詞類の動詞句構造を調査した。これら4つの動詞類の項交替形間の動詞句省略、擬似空所化のデータに基づき、それらの動詞句構造を提案し、どのような種類の軽動詞が必要であるのかを明らかにした。また省略に課せられる統語的同一性は、先行詞と削除部の動詞句構造が包含関係を形成する場合にも満たされることを示した。
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