本研究の目的は、英語の接頭辞付加に注目し、その形態論上の位置づけを、通時的・共時的観点から明らかにすることである。接頭辞付加は、通常、接尾辞付加と類を成し、派生形態論の一部として位置づけられている。しかし本研究では、「接頭辞付加は、複合または屈折のどちらかの操作と類を成す」という仮説を提唱し、その妥当性を通時的・共時的データに基づいて検証する。この仮説が正しければ、接頭辞付加は派生形態論においては役割を持たないという帰結が得られる。本研究は、英語の接頭辞およびその付加の本質的性質を明らかにするとともに、英語形態論の内部構成(派生・複合・屈折の境界)に関する理解を一層深めるものである。
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