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2021 年度 実施状況報告書

損害賠償の目的に関する法意識調査:懲罰賠償の実証的基盤の構築へ向けて

研究課題

研究課題/領域番号 19K13484
研究機関熊本大学

研究代表者

森 大輔  熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 准教授 (40436499)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード損害賠償 / 損害填補 / 抑止 / 制裁 / 必要条件 / 部分集合
研究実績の概要

アンケート調査の分析などの量的研究でしばしば用いられる相関係数は、必要条件関係を十分に捉えることはできない。例えば、不法行為の損害賠償に関するアンケート調査のデータにおいて、交通事故に関するシナリオを調査対象者に見せて適切と思う賠償額を回答してもらった後、その際に損害填補、制裁や抑止を考慮した度合いを質問したところ、損害填補を考慮した度合いと制裁や抑止を考慮した度合いの間の相関係数はかなり小さかった。しかし、両者の間には何の関係もないとは考えられない。本研究では、集合関係の分析や必要条件・十分条件の分析が可能な質的比較分析(QCA)に焦点を当て、それをアンケート調査の分析に取り込むことを試みた。具体的には、ファジー集合QCAにおいて用いる整合度や被覆度などの指標を用いて、必要条件関係の分析を行った。さらに、標本から母集団の特徴を推測する推測統計の方法として、ブートストラップによる信頼区間やp値の導出を行った。そして、前述の不法行為の損害賠償に関するアンケート調査のデータについて、実際にこのQCAやブートストラップによる方法を用いて必要条件関係の分析を行った。分析の結果、損害填補の考慮は、制裁や抑止の考慮の必要条件になっていることがわかった。研究結果は、"Analyzing relations of necessity in survey research: Incorporating notions of fuzzy-set Qualitative Comparative Analysis and bootstrap"というタイトルで、査読付きディスカッションペーパーとして公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

米国でアンケート調査を行い、それと日本での調査結果を比較する予定に関しては、新型コロナウィルス蔓延の影響により、アンケート調査の実施を延期した。そのため、進行状況は遅れているということができる。

今後の研究の推進方策

実施を延期した損害賠償に関するアンケート調査を実施したうえで、日本と米国における損害賠償に対する人々の意識の違いなどについて分析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

実施を予定していたアンケート調査を延期したことと、コロナ禍により学会等がオンラインになったため当初計上していた出張費の使用がなされなかったため、次年度使用額が生じた。延期していたアンケート調査の実施等により、使用を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Analyzing Relations of Necessity in Survey Research: Incorporating Notions of Fuzzy-Set Qualitative Comparative Analysis and Bootstrap2021

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Mori
    • 雑誌名

      COMPASSS Working Paper

      巻: 97 ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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