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2019 年度 実施状況報告書

約款の不当条項規制論の再構成―事業者間契約におけるその意義

研究課題

研究課題/領域番号 19K13577
研究機関大阪経済法科大学

研究代表者

石上 敬子  大阪経済法科大学, 法学部, 准教授 (50609154)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード約款 / 約款規制 / 事業者間契約 / ドイツ法
研究実績の概要

ドイツ法については、基本コンメンタールおよび2冊のDissertationを精読し、BGB310条1項についての基本資料を網羅的に収集し内容を整理する予定であったが、Dissertationの精読はひとまず措き、基本コンメンタールに基づく議論状況の整理を中心に取り組んだ。その結果、①ドイツでは1976年の約款規制法制定当時から事業者間契約にも約款規制が及ぶとされており、1987年には実務から強い批判があったものの、2002年の民法統合までは学説を中心とする賛成説が多かったこと、②2000年代後半頃から、ドイツ企業の国際的な競争力への悪影響と、学説でも批判が増加してきたこと、③2010年以降、主要コンメンタールの多くが批判説へと改定され、解釈論の修正および法改正の動きが活発化しつつあることや、判例も約款規制に謙抑的になってきたこと、が明らかになった。
以上の内容は、東北大学民法研究会において報告し、示唆を得た(論題「ドイツにおける約款規制の事業者間契約への展開・序論」、8月29日、東北大学川内南キャンパス 文科系総合研究棟1号館(教育学研究棟)11階 中会議室)。
日本法については、法状況の整理として、改正民法の定型約款規定に関する法制審の議論
の分析・論文をまとめ、前半部分を5月までに公表した(「定形約款規定の意義と射程(中)――法制審議会民法(債権関係)部会における実務をめぐる応酬――」大阪経済法科大学経済学論集42巻2号67-82頁(2019年5月))。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

基本コンメンタールの記述が近時の版でかなり修正されていたことから、その経緯の確認に時間を要した。また、日本法については、中間試案以降の最終の議論状況を混乱を解きほぐして整理するのに当初の予定以上の時間をとられている。

今後の研究の推進方策

2019年度に取り組む予定であった、Dissertationの精読を早急に行い、論文を7月までにまとめて損害保険研究に投稿する。また、日本の法状況の整理として、改正民法の定型約款規定に関する法制審の議論の研究の後篇を、8月までに書き上げて投稿する。
新型コロナウイルスの影響で、研究時間の確保自体にも深刻な困難が生じるようになったが、ベビーシッター等を可能な限り活用しながら取り組む予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 定形約款規定の意義と射程(中)――法制審議会民法(債権関係)部会における実務をめぐる応酬――2019

    • 著者名/発表者名
      石上敬子
    • 雑誌名

      大阪経済法科大学経済学論集

      巻: 42(2) ページ: 67-82

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公開日: 2021-01-27  

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