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2020 年度 実施状況報告書

約款の不当条項規制論の再構成―事業者間契約におけるその意義

研究課題

研究課題/領域番号 19K13577
研究機関大阪経済法科大学

研究代表者

石上 敬子  大阪経済法科大学, 法学部, 准教授 (50609154)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード定型約款 / 約款 / 約款規制 / 事業者間契約 / ドイツ
研究実績の概要

前年度は、ドイツの約款規制規律に関する基本コンメンタールを中心として議論状況の整理に取り組んだが、同年8月29日に東北大学民法研究会で報告した成果を元に、本年度は論文として公表した(「約款規制の事業者間契約における意義 ―ドイツにおける議論の変遷と現状-」損害保険研究82巻3号35-60頁(2020年11月))。この検討過程で明らかになったこととして、①2010年以降、学説(Berger)および法曹実務(DJT, DAV)・経済実務(Initiative zur Reform des AGB-Rechts)において改正に向けた強力な動きがあり、具体的な改正案がいくつも示されたこと、②とりわけ、Leuschnerが連邦司法消費者保護省からの委託研究として詳細な報告書を公表していたこと(Leuschner2014、2021年7月には初の専門的コンメンタールも刊行(Leuschner, AGB-Recht im unternehmerischen Rechtsverkehr - Kommentar zu den §§ 305-310 BGB, Juli 2021))、③判例もいくつかあらわれていること(たとえば「Take-or-Pay」条項に関するBGH 22.11.2012, NJW 2013,856, vgl. Maier-Reimer NJW 2017,1)④しかしながら、現行法の解釈論の範囲で足りるとする根強い反対があり(von Westphalen, Basedow, Fuchs)、経済実務でも中小企業を中心に強い反対があること(pro AGB-Recht)、があげられる。
以上の内容の一部は、東北大学民法研究会において報告し、示唆を得た(論題「ドイツにおける約款規制の事業者間契約への展開:適用除外要件をめぐる議論を中心に」、11月12日、東北大学(zoom))。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

約1年単位で遅れている。2020年度はとりわけCOVID-19の影響による学内業務の圧倒的な変質が想像を遥かに超えるレベルであった。

今後の研究の推進方策

2021年度もCOVID-19の深刻な影響下にあるが、ひとまず日本の法状況の整理として、改正民法の定型約款規定に関する法制審の議論の研究の後篇を、夏には書き上げて投稿する。
研究を進めるべき方向性は2020年度に明確にすることができたため、ひたすら研究時間の確保に努める。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響で研究活動が大幅に制限されたこと、とりわけ学会がすべて中止またはオンラインとなったため。次年度は代わりにオンラインデータベースを充実させて場所・環境を問わず専念できる環境を整える。

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公開日: 2021-12-27  

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