研究課題
本研究は、核兵器の拡散と生物化学兵器の拡散の相互作用に関する理論的・実証的な検討を目的とするものである。先行研究はこうした兵器体系をまたいだ拡散の相互関係を考察してこなかった。本研究は、外交当事者・政策決定者たちがどのように拡散の相互作用を捉えており、それが実際の相互作用にどのような影響をもたらしたのかを解明することを試みる。2021年度は、本研究プロジェクトの最終三年目にあたる。具体的な作業としては、以下の四つに取り組んだ。第一に、積み残し作業となっていた資料収集とデータセット構築については、依然として資料館の閉鎖などCOVID-19の感染拡大の影響が大きく、一次資料の収集が困難であったことから、思うように研究を進めることができなかった。そこで第二に、代替プランとして、入手可能なリソースを元に事例ベースでの実証作業を進め、理論仮説の精緻化と合わせてペーパーの執筆を進めた。これについては論文として取りまとめ次第、査読付きのジャーナルに投稿する予定である。第三に、同じく代替プランとして、大量破壊兵器の拡散に加えて「使用」にも射程を広げ、当事者の言説分析に取り組んだ。更なるデータ収集と分析が必要だが、予備的分析の段階で好感触を得ているため、早めに細部まで固めて論文の執筆にとりかかりたい。第四に、昨年度までに投稿済みとなっていた論文を掲載までもっていくための作業にも取り組んだ。二本の掲載が決定した一方で、残り二本は査読中の状況が続いているため、引き続き早期の研究成果公表に向けて査読対応・加筆修正作業を行っていく。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Politics & Policy
巻: forthcoming ページ: forthcoming
10.1111/polp.12461
Journal of Peace Research
10.1177/00223433211053187