政府が企業の私的情報や環境被害の程度について不確実性を持つ場合の,環境政策の効率性について,(1)支配的企業と非フリンジ企業に関する不確実性が異なる場合,(2)独占市場における過少生産と過剰生産の是正,の2点について分析した。研究結果として,(1)規制対象企業の不確実性が相対的に大きい場合,数量規制を実施する方が厚生損失の期待値が小さくなるが,非政策対象企業の不確実性が大きい場合には,課税政策の実施が望ましくなる。(2)市場需要を満たすような補助金政策が常に優先され,市場需要関数の傾きが限界損害関数の傾きよりも相対的に大きくなる場合には,補助金政策の有効性が一層高まることが明らかとなった。
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