研究課題
若手研究
本研究では、送電網の利用(接続)価格に関する規制効果が、再生可能エネルギー普及政策(FIT制度、RPS制度)の実効性に与える影響を理論的に検証し、制度間の違いを明らかにした。発電・小売事業と利害関係のある事業者が送電部門を運用する場合、RPS制度では規制効果が低くても制度の効果が担保される一方、FIT制度の効果を担保するには高い規制効果が必要であることが示された。
環境経済学、応用ミクロ経済学
再生可能エネルギー事業者が送電網へ接続する際の接続コストは再生可能エネルギーの普及効果に影響する要因として考えられるが、この点に焦点を当てた理論研究は限られていた。本研究ではRopenus and Jensen (2009)のFIT制度の分析に送電部門の規制効果のパラメータを導入したうえでRPS制度との比較を行った。これにより、送電部門の規制効果と再エネ政策の選択を一体的に議論することが可能になり、今後の政策議論において有用な知見を示すことができたと考えている。