研究課題/領域番号 |
19K13869
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
酒井 大策 常葉大学, 経営学部, 准教授 (80783761)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 統合報告 / 行政評価 / 行政経営 / 公会計 / 業績評価 |
研究実績の概要 |
本研究においては、近年民間企業で研究と導入が進む統合報告と以前から自治体の業績マネジメントシステムとして導入されている行政評価を融合させることによって、新たな自治体の業績マネジメントシステムを構築することを目的としている。研究方法として、まず現在の行政評価の課題を整理し、公的部門における統合報告導入の理論面の整理を行い、それらを踏まえたうえで統合報告と行政評価を融合した業績マネジメントシステムを提案する予定である。 本年度は、まず地方自治体の行政評価の現状と課題を把握することを中心に研究を行った。具体的には、基礎自治体(市区町村)の行政評価再構築にアドバイザーとして参加し、担当職員等との意見交換や共同作業を通じて、現状と課題の把握を行った。また、都道府県へこれまでの行政評価の取組状況と変遷、現状の課題についてヒアリング調査を実施した。これらの調査を踏まえて、2021年3月に論文1本の公表を行った。 地方自治体における統合報告の理論的研究を進めるため、海外の研究者・団体を訪問し調査予定であったが、新型コロナウィルスの影響により調査を実施することができなかった。訪問調査に替えて、文献調査及びオンラインを利用した海外研究者との意見交換を実施した。 本研究では、統合報告を外部利害関係者に有用なディスクロージャーとして捉えるだけでなく、統合報告が管理会計(行政評価)といかに結び付き、組織(地方自治体)に変容をもたらすのかを明らかにすることが重要になると考えられる。これを明らかにする基礎的概念として「統合思考」をあげることができ、本年度は文献調査を中心として「統合思考」に関する研究を進めた。次年度以降に取り組む予定である理論的考察の基礎として研究を進めることができたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は海外への訪問調査を実施し、文献を中心とした研究とともに、自治体への統合報告導入に関する理論的考察を行う予定であった。しかしながら、海外への訪問調査が困難となり、訪問調査を実施することができなかった。文献による研究を中心とし、オンラインを活用した調査を実施したが、当初予定していた研究計画と比較すると遅れが生じていることは否めない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降も海外への訪問調査が困難な状況となる可能性が高く、文献調査およびオンラインを活用した調査を早期に実施し、研究を進めていく予定である。国内においては、他の都道府県への調査が今年度に比べて実施可能性が高くなると考えられるため、複数の自治体への訪問調査を実施予定である。また、これまでの研究成果をまとめた論文を複数発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外への訪問調査を実施予定であったが、新型コロナウィルスの影響によって実施することができなかった。次年度以降に海外への訪問調査を実施予定であり、その際の旅費として使用する予定である。
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