本研究課題では、食用キク科植物を対象として、新たに見出したカルシウムシグナル阻害成分の探索と作用機序の解明に取り組んだ。いずれも山菜である、フキノトウから1化合物、モミジガサから2化合物を単離同定した。このうち、フキノトウ由来のbakkenolide Bが、ヒトT細胞株Jurkatにおいて、アトピー性皮膚炎等に関わるinterleukin-2の産生を抑制することを明らかにした。さらに、フキノトウ、モミジガサ、ボウナの3種のキク科山菜を対象に、個体ごとの成分分析を実施した結果、含まれる成分に質的・量的な差異が存在することが判明した。
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