本研究は,保育者の実践知である子ども理解の構造を明らかにし,その構造をもとに保育実践ツールを開発,検証を行うことを目的として,2つの調査を行った。調査1では33名の保育士・幼稚園教諭を対象に場面想定法を用いた面接調査を行った。その結果,保育者の知識や信念を含む子ども理解の視点が相互に関連する構造モデルが生成された。調査2では,幼稚園教諭4名を対象に,調査1の結果と認知カウンセリングの手法を援用した個別面接を行った結果,子ども理解の深化が確認され,省察や子どもへの関わりの向上に一定の有効性があることが示唆された。
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