研究課題/領域番号 |
19K14106
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
斉藤 仁一朗 東海大学, 教職資格センター, 講師 (80756031)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コア・カリキュラム / 教科学習 / 教師 |
研究実績の概要 |
2021年度の研究では、1930年代のヴァージニアプランのカリキュラム研究を中心としながら、当時のコアカリキュラムの特徴の分析を進めていった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、現地での史料収集は実現できなかったが、過去に収集した史料や、国内外から取り寄せ可能な史料を活用し研究を進めた。 本年度の研究成果として三点を挙げることが出来る。 一点目は、ヴァージニアプランが導入される時点における、教師教育的な営みに関する構想や、導入過程の実態についての考察をした点である。この考察は主に初等学校を対象として実施している。この考察においては、初等学校における導入過程の事例や、当時の調査研究をもとにした州内の初等学校への普及状況などについて言及した。この成果に関しては、2021年10月に実施された教科教育史研究会において発表を行った。 二点目は、ヴァージニアプランにおける社会科の位置づけについて、初等・中等の両方の視点に基づいて考察を行った点である。この考察では、ヴァ―ジニアプランの構想・運営に関わった、キャズウェルとハンナという二人の人物のカリキュラム観の比較を行いつつ、同プランにおける社会科の位置づけについて言及した。この成果に関しては、2021年11月に開催された日本社会科教育学会第71回全国研究大会において、発表を行った。これら1・2点に関する研究発表の成果については、現在論文を執筆し、投稿・査読中のものもある。 三点目は、ヴァージニアプランにおける中等カリキュラムが、どのように州内に普及していったのかについて、収集可能なカリキュラムをもとに考察を行った。これに関しては、2022年度の学会発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、現地での史料収集は実現できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の研究計画では、主に以下の三点の考察を進めていく予定にしている。 一点目は、ヴァージニアプランにおける中等カリキュラムの州内への普及状況に関する考察を、学会発表したのちに、論文投稿等へと進めていく点である。 二点目は、ヴァージニアプランにおける「作業単元」の構想のルーツを辿るべく、コロンビア大学のリンカーンスクールにおけるカリキュラム開発に焦点を当てていく。リンカーンスクールにおける作業単元と教科学習との関連を考察したうえで、その理論的特徴がどのようにヴァージニアプランに関わっていくのかについて位置付けることとしたい。 三点目は、ヴァージニアプランにおける1934年版と1937年版、41~43年版との比較研究を行う点である。当時、作業単元から問題単元へのカリキュラム構成法の変化が見られるが、この変化の背景や意図について、史料を読み解きながら考察を行いたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、現地での史料収集が困難であったため、研究計画全体の進捗が遅れている。そのため、予算の使用に関する計画自体も延長・繰り越しを行うなどして、当初の計画から修正を行うに至っている。
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