最終年度は小児がんによる長期入院を経験した子どもが通う保育所を中心に保育所看護師の役割を調査し、論文にまとめた。Covid-19により保育所看護師に対しての調査は遅延したが最終報告はまとめることができた。また、今後、悪性新生物など慢性疾患の治療のため長期入院を経験した子どもや医療的ケア児の保育所利用が増えていることから、大学保育学科の学生を中心に広く小児がんを患う子どもの入院生活と退院後の生活を広く知ることが大切とわかり、最終年度は、授業を通して大学病院小児病棟で病気の子どもへの保育を担う医療保育専門士の活動を学ぶ授業を通して授業効果の実態調査を実施した。A大学保育学生の認知と今後の保育教育への示唆を得たため報告する予定である(第71回日本小児保健協会学術集会)。調査内容は、A大学児童学科2年生の保育士養成課程科目「子どもの健康と安全」(2単位)の1コマを大学病院小児病棟所属の医療保育専門士に役割と実際に関する講義を依頼した。本授業は保育における日常の健康管理、子どもの体調不良時の保健的対応が主な概要である。医療保育専門士からの講義の前に調査の主旨と未回答による成績への影響はなく調査参加の同意は自由であると口頭で説明し、匿名にて回答を求めた。 結果、講義に参加した学生48名のうち、調査の回答は34名(70.8%)から得た。医療保育専門士の仕事の認知について、ややわかった16名、よくわかった17名と仕事への認知者数は増えた。授業内容の評価に関しては、学習目標が明確、授業内容がよく計画されていた、授業学習量が適切、医療保育士への興味について4項目すべてにおいてそう思うと回答を得た。役に立った内容の自由記載では、病気の子どもとかかわるための医療保育の活動や遊びの工夫を学べた。医療保育士を招聘して講義を行った結果、小児病棟勤務の保育士の役割と家族支援を広く伝えることができた。
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