研究課題/領域番号 |
19K14179
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
阿久津 美紀 目白大学, 人間学部, 助教 (50823449)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アーカイブズ学 / 記録管理 / 社会的養護 / 社会的養育 / ケアリーヴァー / 児童養護施設 / 個人情報 / 子どもの権利 |
研究成果の概要 |
本研究は、虐待や家庭の事情で、家庭から離れて児童養護施設などの社会的養護の下で生活する子どもの知る権利を保障する記録管理体制と記録へのアクセスを行うための実態把握を目的とした。全国の児童相談所と公文書館に対して、記録管理に関するアンケート調査を実施した。自治体の歴史的資料が保管される公文書館の調査結果から、都道府県の出先機関である児童相談所の記録が公文書館へ移管されてこない現状が確認できた。その要因として、児童相談所が作成する記録が個人情報を多く含むことや記録の保存期間の短さがあることが明らかになった。また、同時に記録の作成や管理に携わる職員の理解を深めていく必要がある。
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自由記述の分野 |
アーカイブズ学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
記録とアイデンティティの関係性に関わる研究はあるが、本研究のような、社会的養護に育つ子どもの知る権利を保障するための記録管理と記録へのアクセス支援は、日本のアーカイブズ研究にはこれまでなかった。また、社会福祉学、子ども学等の領域において、親を知らずに育った子どもが自分の出自を知りたいと求めた際にいかに寄り添うかに注目することがあっても、そのための記録管理の問題を焦点化することはない。自身が何者であるかを知りたいと考える社会的養護に育つ子どもに即して、記録を作成し管理しアクセス支援を行うことは、アーカイブズ学に留まらず、社会福祉学、子ども学、法学等の他分野に新たな知見をもたらす。
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