研究課題/領域番号 |
19K14328
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
齋藤 大輔 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (80779091)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | プログラミング教育 / ルーブリック |
研究実績の概要 |
本年度は提案したプログラミング教育におけるルーブリックの評価の一貫性・妥当性検証を実施した。プログラミング教育においてルーブリックを用いることで評価者は客観的かつ一貫性のある評価が可能となる。また、ルーブリックの特性を捉え、評価・考察することで、プログラミング教育における学習効果を明確にできる。従ってプログラミング教育における達成度を評価するためにGQM(Goal Question metric)法を用いてルーブリックの特性を検討しそれを定量的に評価するための統計的手法を提案した。GQM法を用いることで、目的となる特性を評価できる定量的な統計的手法を導くことが出来る。また、一貫性・妥当性の評価方法としては、ルーブリック評価における要因を特定するためにKaiser Meyer Olkin (KMO)を用いた。加えて、ルーブリック評価の内部一貫性を評価するためにクローンバックのα係数を用いた。提案した手法を用いて既存のルーブリックとそのルーブリックを用いたプログラミング教育の評価結果を評価・分析した。分析の対象は過去に実施した3種類の授業に対してルーブリックで学習達成度の評価した結果を用いた。結果として既存のルーブリックについてGQM法を用いた統計手法の一貫性と妥当性を確認した。また、この研究によって、評価枠組みはルーブリック自体の特性を評価することができるため、ルーブリックの改善や新規作成に役立てられることが期待できる。今後、従来の人による主観的な評価との相関を測定することにより、より教育の現場で実用的かつ効果的な評価を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の対象は児童であるため、小学校でのプログラミング授業やワークショップにてプログラミング教育による学習効果を調査予定であったが、新型コロナウィルス感染症の影響にて、調査の延期を余儀なくされた。しかし、提案したプログラミング教育用のルーブリックについて既存の評価を用いて一貫性と妥当性を検証した。結果として、一貫性、妥当性を確認できたことから評価の信頼性を向上できたと考える。 従って、研究として当初より少し遅れは出ているが、ルーブリックの一貫性と妥当性を検証により、より信頼性の高いプログラミング教育における学習効果の評価。分析を結果として示せると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度から2021年度にかけて、ルーブルックの提案およびルーブリックの評価の検証を実施した。本結果を踏まえ、2022年度はプログラミング授業・ワークショップでの学習効果の検証を中心として実施する予定である。また、結果について積極的に国内外の学術誌・会議にて公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は新型コロナウィルス感染症の影響でワークショップ等が開催できていない。2022年度ではプログラミングを用いた授業やワークショップ等でデータを取得する予定である。従って、使用するPC等の運送費や新規PCの購入等に使用する。また、国内・国際会議の参加のための参加費、出張費として使用する予定である。加えて、国際論文誌への投稿等の英文校閲費として使用する。
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