統制-価値理論では,学業場面で経験する感情が学習方略に影響を与えること,また,どのような方略で学習するかによって経験される感情も異なることが想定されているものの,このような相互関係は実証的に検討されてこなかった。そのため,感情と学習方略使用の相互関係を実証的に示したという点で本研究には学術的意義がある。また,学習者の感情に働きかけることで適切な学習方略の使用を促進できる可能性や,適切な方略で学習するよう指導することでポジティブ感情が増加し,ネガティブ感情が低下する可能性が示されるなど,情動面に対する支援と学習方略指導の重要性について新たな視点をもたらしたという点で,本研究には社会的意義がある。
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