類推は、知識を引き移す際に必要な認知能力である。これまで幼児期の類推による問題解決の発達について知見が重ねられてきたが、今回、児童期までの発達を明らかにすることができた。 知識を応用する力の育成が求められる現代、子どもの類推の発達過程が明らかになることは、発達に合わせて教育を施すことにつながり、意義があると考える。 具体的には、幼児期から児童期の始まりの頃には、類推によって応用することが難しいため、見た目が似ている例を用いながら、応用を繰り返すことが重要である。また、児童期の中期の頃には、見た目ではなく、課題の本質の類似性に着目できるため、抽象的な課題に取り組む経験が重要になってくると考えられる。
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