認知機能低下を早期発見するため,反応時間の変動性(ばらつき)と,主観的認知機能低下の程度という2つの指標に注目した.全般的認知機能が正常域の地域在住高齢者を対象に,両指標の検査と各種認知機能検査をベースラインから6か月ごとに18か月経過時まで実施した. 結果,反応時間の変動性指標は,ベースラインから18か月後に生じた全般的認知機能低下を予測可能であり,特に実行機能・処理速度領域の認知機能との関連を示した.また,主観的認知機能低下指標は,アポE4と呼ばれるアルツハイマー病のリスク遺伝子型を有する方において経時的に悪化していくことが示された.
|