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2023 年度 実施状況報告書

行動活性化はアンヘドニアの軽減に有効か?:ランダム化比較試験を通した検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K14460
研究機関神戸松蔭女子学院大学

研究代表者

山本 竜也  神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 講師 (70802924)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード集団行動活性化 / アンヘドニア / QOL / 社会機能 / 抑うつ
研究実績の概要

2023年度は、集団形式の行動活性化がアンヘドニアに及ぼす影響について予備的な検討を行い論文として出版した。
この論文では、大学生12名を集団行動活性化を受ける群(行動活性化群)とその間介入が行われない統制群にランダムに振り分けて、週に1回の頻度で計4回、1か月後のフォローアップから構成される集団行動活性化を適用し、その効果について検証した。指標は、行動活性化における行動の変容、報酬可能性、アンヘドニア、全般的な抑うつ症状、社会機能、生活の質(QOL: Quality of Life)であった。その結果、行動活性化における行動の変容、報酬可能性を測定する心理尺度は統制群よりも介入群で大きく改善し、アンヘドニア、全般的な抑うつ症状、QOLの増加を認めた。社会機能の改善に関しては明確な結論が出せなかった。本研究の結果から集団形式の行動活性化はアンヘドニアに対して有効であり、全般的な抑うつ症状やQOLの改善に有効であることが示唆された。社会機能に関してはさらなる検討が求められる。
このように、行動活性化はアンヘドニアに対して効果があると考えられる結果は得られたものの、サンプルサイズが小さい点、ゆえに統計的解析に適さない点、効果量等の算出も難しい点といった課題もあり、さらなる検討が必要であると言える。また、本研究課題を遂行している間に、諸外国でもアンヘドニアの改善に関する論文が出版されており、報酬が処理されていく過程に介入することでアンヘドニアを改善できる可能性が示されている。このような動向を踏まえながら、介入内容を最適化するといったことも必要となっていくだろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症による影響がパンデミック終了後にも継続的に研究の遂行に影響を与えている。それに加え、研究機関の異動が重なったことも要因として挙げられる。

今後の研究の推進方策

2024年度はすでに得られている研究データの出版をはじめ、当初の研究計画の到達に近づけるように研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍が明けても、その影響を受け続け、研究の遂行が十分にできない部分があった。次年度使用額については、当該研究の遂行に必要なところに使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 軽度から中等度の抑うつ症状を持つ大学生に対する集団行動活性化の効果に関する予備的検討2023

    • 著者名/発表者名
      山本竜也・首藤祐介
    • 雑誌名

      神戸松蔭こころのケア・センター臨床心理学研究

      巻: 18 ページ: 10-17

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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