集団生活における社会的アイデンティティは、個体の生存・生殖を向上させるが、内集団バイアスや対立などの問題も引き起こす。社会的アイデンティティに関する生物学的背景の解明が必要である。そこで、本研究課題では、マウスを用いて集団の形成と維持に関与する脳内現象を明らかにするため、げっ歯類向けのモデル課題を作成した。我々は、マウスに集団でオペラント学習課題に取り組ませ、集団形成の過程を観察できる行動実験パラダイム「綱引きタスク」を作ることに成功した。ほとんどのグループは数日で綱引きタスクを習得し、報酬を獲得することができた。研究はまだ進行中であり、さらなる結果の解析と考察が必要である。
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