研究課題/領域番号 |
19K14497
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
相原 琢磨 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (40714150)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 準傾対象 / 準傾変異 / 準傾連結性 / 準傾離散性 / τ傾加群 / τ傾有限 / 導来圏 / 三角圏 |
研究実績の概要 |
本研究の主な目的は、多元環に付随する三角圏(導来圏、特異圏、安定圏など)を具体的な方法により解析することである。ここでは特に、導来同値をコントロールしている準傾対象に注目し、与えられた準傾対象から新しい準傾対象を構成するための準傾変異を考える。これにより、様々な計算を線型代数的手法や組み合わせ的手法に帰着させることができる。(準傾変異理論) この準傾変異理論における大きな問題は「準傾対象の豊富性問題」である。つまり、準傾対象が準傾変異によってすべて記述しきれるのか・記述しきれないほど多く存在するのかという問題である。準傾変異によってすべての準傾対象を記述できるとき、「準傾連結性を満たす」といい、準傾対象が(本質的に)有限個となるとき、「準傾離散性を満たす」という。本研究では主に、いつ準傾連結性・準傾離散性を満たすかを解明することを目標とする。
令和2年度は特に、「多元環の準傾離散性」について研究を行った。1、準傾離散性を満たす多元環Aおよび局所多元環のテンサー積がまた、準傾離散性を満たすことを示した。このように作られた多元環は、Aにループを加えて構成されるが、今回の結果は「準傾離散性はループを加えても保たれる」ことを意味している。2、与えられた有限表現型多元環上の上三角行列環およびアウスランダー多元環の準傾離散性について考察した。特に、2項準傾対象(=τ傾加群)の有限性を比較した。アウスランダー多元環がτ傾有限性を満たすならば、上三角行列環もτ傾有限であることを示した。さらに、この命題の逆についての反例を挙げ、一方で、元の多元環が単連結ならば逆もまた正しいことを証明した。3、上三角行列環がτ傾有限性を満たすための必要十分条件を与えた。 これらは、本間氏との共同研究の成果として得られてものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該研究の一つの目標であった、準傾離散性を満たす新しい多元環を構成することができた。さらに、アウスランダー多元環と上三角行列環における準傾理論を比較し、興味深い結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も「準傾対象の豊富性問題」に取り組み、解決を目指し研究を行う。さらに、この問題に関連して、「ボンガルツ完備化問題」などに取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた出張がすべて、新型コロナウイルスの影響のためキャンセルとなり、未使用分が生じた。 次年度においても、研究課題に関わる出張および図書の購入費として計上する。
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