研究課題
若手研究
本研究では、3×3×3×3の多元分割表に対して対称性に関するモデルを合計7つ定義した。提案モデルの当てはまりの良さを調べるために、解析データとして東証一部上場企業の株価の推移を抽出した。2009年の8月の株価に着目し、AICによって最適なモデルを選択したところ、解釈としては1週目の株価よりも4週目の株価の方が高い企業の割合と、同様の株価が低い企業の割合が同等であるという解釈が得られた。すなわち、この月は、株価が上昇した企業と下落した企業の割合が同等であるとみることができる。
統計科学
本研究では多元分割表に対して、数学的な妥当性はもちろんのこと、解釈のしやすさを念頭においてモデルの考案を行った。また、連続値を「意味のある差」に基づいていくつかのカテゴリに分類することで分割表を作成することを試みた。株価のデータを分割表に変換し解析を行うことで、分割表解析の観点から、新たな解釈を与えることに成功した。提案手法は経済データのみならず、医学、スポーツ科学、アンケート調査といった様々な分野に応用が可能である。