研究課題
若手研究
乱れのあるトポロジカル量子系における臨界現象と輸送現象の性質を数値計算により明らかにした。トポロジカル半金属における臨界現象の新しい解析方法の提案や、乱れの存在下での輸送現象を調べるための数値計算手法の改良を行い、それらを用いることで、これまでほぼ未知の領域であった乱れのあるディラック/ワイル半金属の臨界・輸送特性について詳細に調べた。さらに、その特殊な特性をスピントロニクス・デバイス応用へ繋げるための基礎研究や提案までを行った。
物性理論
トポロジカル量子系は乱れに対する頑強性が特徴とされているが、その具体的な性質の研究には技術的困難が伴う。本研究では新しい計算手法を提案すると同時に実際にそれを用いて新奇な輸送特性の性質などを調べたことで、乱れたトポロジカル量子系を効率的に研究する道筋を示した。特にワイル半金属における新奇な磁気抵抗やホール効果の研究は、スピントロニクスデバイスへの応用を考える上で重要な基礎理論となるのみならず、デバイス応用へ向けた課題と利点を明らかにするなど、実験研究の進展も刺激するものである。