電子の「バレー」の情報をデジタル情報処理の0と1に対応させて利用する概念は「オプトバレートロニクス」と呼ばれ、近年注目されている。その実現にはバレーの情報の長時間保持が必要であるが、実際にはきわめて短時間で情報が失われてしまい、その緩和メカニズムの理解や制御が十分でないため、基礎研究や応用展開を妨げている。本研究で得られた成果は、バレー緩和現象のメカニズムの解明という基礎科学的な意義に加えて、応用展開へのデバイス構造のデザインに新しい指針を与える。本研究で得られたバレー物理の知見をさらに発展させることで、将来の高速・省エネルギーな光電子デバイスの実現につながると期待される。
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