研究課題
若手研究
本研究では、これまで困難であったパルス強磁場中の核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定の高精度化、およびこれまで実現していなかった縦緩和時間(NMR-T1)の測定のための測定系を開発した。パルス強磁場の最高磁場付近を時間的に高精度に平坦化することで数ミリ秒の準定常磁場を発生させ、それと同期してNMRスペクトル・NMR―T1測定を行う。この準定常磁場を用いることによって、60テスラまでのNMRスペクトル、NMR-T1測定が可能となった。
強磁場
パルス強磁場は極めて高い磁場を実現する唯一の方法であり、これまでNMR測定が難しかった強磁場中の物性を明らかにするために活用されることが期待される。また、超伝導磁石は導入費用・維持費が高額であるが、パルス磁場で同程度の磁場を出す場合は非常に安価であり、そういった安価な磁場発生手法でNMR測定ができるようになったという点も意義深い。