沈み込み帯で発生する巨大地震断層すべりの挙動を理解するためには、断層面における物性、とりわけ、断層面近傍に存在する水による圧力(流体圧)を把握することが不可欠となる。本研究では、自然に発生する地震の波形を密に設置した海底地震計で観測し、その波形解析から流体圧を調査することを目指す。 自然に起こる地震の波形は一般的に複雑な波形を示す。加えて、海底地震計では海水内や柔らかい海底堆積物の層内にトラップされた多重反射波の影響で、この複雑性はさらに促進され、詳細な地下構造の解析には向かないとされてきた。本研究では、この課題をベイズ統計による現代的な解析手法により克服した。
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