研究課題
若手研究
プレート強度の弱化メカニズムについて説明するために、プレートの第二成分である斜方輝石に着目し高温高圧変形実験を行った。斜方輝石は変形による再結晶の結果、~1ミクロンの細粒粒子を形成し変形は局所化した。得られた斜方輝石の再結晶粒子-応力関係から、斜方輝石の動的再結晶で形成された粒子は粒径依存性クリープで変形することが予想され、これが全体の強度を支配する場合には強度弱化に寄与する可能性が示唆された。
固体地球科学
海洋プレートの最主要鉱物であるカンラン石の転位クリープ強度は非常に大きく、プレートが変形し沈み込むための理論強度を大幅に超過している。地球におけるこのようなプレートテクトニクスの矛盾を説明するために、本研究ではプレートの第二成分である斜方輝石が変形に誘発される細粒化(動的再結晶)の結果、一般的な転位クリープではなく粒径依存性を持つ変形メカニズムが強度を支配するようになり強度弱化する可能性を実験的に示した。