研究課題
若手研究
金属材料に対応可能な3Dプリンタの一種である粉末床溶融結合法(PBF)の高機能化を目指し,遠心機を用いた人工高重力場において造形試験を行った.高重力場において,造形物の内部欠陥が高い浮力を受けて排出され,造形中に発生する火花の抑制,より微細な粉末を利用可能とすることによる形状精度の向上など,人工高重力場がPBFに与える有用な効果について,10Gまでの造形試験を行い明らかにした.
生産工学
高重力場が金属の溶融・凝固プロセスや粉体ハンドリング技術に対して与える良い影響を理論的,実験的に明らかにしたことは,今後の宇宙開発などの多様なアプリケーションを考慮すると,最先端科学技術の発展にもつながる技術開発に成功したといえる.また,ものづくりにおいて,加工精度や加工品質は極めて重要な指標であり,広く応用が始まっている3Dプリンタに対して加工精度を劇的に高めることは,あらゆる製品に付加価値を与えることにつながる.