研究課題
若手研究
本研究では空間の変化を考慮した非線形システムの解析ならびに制御則の設計を行うことに取り組んだ.時変な多様体上で定義された時不変システムを時不変な多様体上で定義された時変システムに変換し,後者のシステムに対して制御則を設計することで,前者に対する制御則を得る方法を提案した.この研究は「相対的な位置関係」を制御すれば「絶対的な位置関係」を制御することになるのか,という問いに対するひとつの答えになっている.
非線形制御論
本研究で扱う問題はロボットによる動的障害物回避制御をアプリケーションにもつ.本研究により,動的障害物を回避しようとする際には,相対的な位置関係のみを考慮していては,絶対的な位置関係を制御できるとは限らず,絶対的な位置関係と相対的な位置関係を変換する対応関係の影響を追加で考慮しなければならないことを明らかにした.これは学術的には時変な座標変換を考慮する必要性を示した意義があり,社会的には高速で移動する物体を回避する際の注意点を明らかにした意義がある.